愚を編む。居飛車メインで将棋の研究をしてマス 

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横歩取り「佐々木流▲6八玉」の研究2

   ↑  2016/07/28 (木)  カテゴリー: 将棋
 前回は「2二銀・8二飛」型という、青野流登場初期の対策が佐々木流に有効かを調べた。現段階での結論は「先手有望」ということでいいだろう。さて、次は今年6月30日に行われていた順位戦B1組▲丸山△山崎戦を見ていこう。この局、丸山九段は佐々木流を採用した。それに対する山崎八段は8五飛
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 前回の記事で「青野流にも有力」としていた手である。実戦では▲3六歩△2五飛と進んだが、何故前回解説した▲7七桂を選ばなかったのかを考えよう。
 まず青野流での△8五飛に▲7七桂とした理由だが、▲3六歩だと△8六歩の受けが面倒に感じていたからだ。△2五飛にはそれほど困らないので、味良く飛車を追ってしまおうという意味である。青野流のコンセプトは桂馬の攻めなので、跳ねられる内に跳ねておきたい。では何故▲7七桂を指さなかったのか。
 変化を読んでいないけれども、恐らくは▲7七桂と6八玉型は合わないからではないか。桂頭の脆さは勿論、さばきづらい角の側に玉がいるのも怖い。選ばなかったというより選びたくなかったのだろう。▲7七桂から持久戦にされると先手の形の悪さが目立つ。

 なので実戦では▲3六歩。『現代横歩取りのすべて(マイナビ)』の青野流の類似局面では「▲3六歩△8六歩と進んで先手は形勢を損ねる」と解説されており、実際つい最近まではその通りだと思っていたのだが――▲3三角成△同金▲3五飛という手順を激指に教えられた。△5五角が見えているだけに大胆な手順で、人だとなかなか思いつけない。だが残念ながら、序盤では先手有利と言っていた激指が手を進めると後手有利と言い出した
 ……ソフトには良くあるということで、知っておいて損はないぐらいの認識で十分だ。
 あくまで推測だけども、山崎八段としては△8六歩だと一直線の変化になってしまうので、それを嫌ったのだろう。ただそれだと▲3六歩がかなり得な手になる。▲3五飛の用意もできており、事実実戦では中盤まで先手がリードする展開になっていた。
 では「8五飛」型はどう指せば良いのか。と考えると、やはり△8六歩と打つしかないと思う。これは玉の近い佐々木流を咎める意味でもこう指したいところで、逆にこれが成立しないなら△8二飛の方が良いように思う。△8六歩が成立するなら先手はやはり▲7七桂と跳ねるしかなく、玉の位置が悪いことを気にしなければならない。どちらにしても佐々木流の存亡がかかった戦型と言えるだろう

 さて、青野流に対して有力だった変化は他にもある。
 始めに△4一玉だが、これには▲3六飛と青野流を捨てる。佐々木流の良さが現れていて、持久戦の時に▲3六飛の妥協がしやすいのだ。▲2六飛・6八玉と△8五飛・4一玉の勝負になるが、今のところこの変化は互角で、先手としてもやりがいのある局面になる。
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 次に△6二玉。これは色々考えたが、▲3六歩に△7二玉△2二銀のどちらかだと思う。順に調べていく。
7二玉は玉の安全度を上げて自然な手。▲3七桂と跳ねるが、そこで△8五飛が桂跳ねを牽制する飛車引き。勢い▲7七桂△5五飛▲8四歩△8二歩と進んで、先手は何を指すかだ。懐を広げ角の覗きも見せる▲9六歩が妥当なところだと思うが、この瞬間後手も手が広そう。後手が受け一方な分先手に主導権があり、チャンスを活かせるかが見極めどころだ。
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2二銀は飛車を追う狙い。△2三銀が見えているので△8五飛を防ぐ意味でも▲3五飛が指してみたい手だ。これに対して△7二玉はやや危険で、▲3七桂に△6二銀、△2三銀のどちらも▲4五桂で攻めが決まりそうである。△2三銀と先に構えて▲3七桂に△3四歩は考えられるが、後手が妥協し過ぎな気もする。▲6五飛で先手ペースだろう。
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 最後に△5二玉。青野流の本筋は佐々木流でどう変化するか。▲3六歩△7六飛に▲7七角が一つの主張。青野流では△2六歩▲3八銀△7七角成▲同桂△5五角という攻めがあるが、佐々木流ではそれが消えている。これで良ければ話は早いのだが、△7四飛が厄介。青野流では先手良しとされる変化だが、▲同飛△同歩▲3七桂△7七角成▲同桂と進んだ時に、いつか△2七角と打たれるのが先手になるのである。桂頭の弱点も目立つ為、これは6八玉型がたたっている。▲7七角は選びづらい順だろう。
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 そこで改良案が▲3七桂。△8八角成▲同銀△7八飛成の筋がないので、そもそも▲7七角は必要ないのだ。△9五角に▲7七歩が利くので▲8四飛も可能である。先手から▲4五桂、▲2二歩打、▲8四飛の揺さぶりがあり、後手は何を指せば良いか。△7四飛▲同飛△同歩はありそう。以下▲2四歩か▲8四歩か、当たりを避ける▲5八玉も魅力だ。一手損でも陣形の安定度が違う。これは互角と言えるんじゃないだろうか。
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 以上「佐々木流▲6八玉」にありえそうな変化を調べたが、△8五飛の懸念を覗いて先手も意外に戦えることが分かった。なかなか前例のない戦型なので、いずれ実戦例が豊富になることを祈ろう。ひとまず佐々木流の研究を、これでまとめておくことにする。
(基本図▲6八玉から……)
△2二銀」:角交換からの△3三銀には飛車先を連打して▲3五飛~▲7七桂。△8二飛と戻るのはもう一度叩いて▲4五桂が決まるかどうか。先手有望。
△8五飛」:▲3六歩に△8六歩が成立するかどうか。しない場合、△8二飛の方が得かも知れない。形勢不明。
△4一玉」:▲3六飛と定跡形に戻す。先手不満なし。
△6二玉」:やや後手が危なっかしい印象。▲3五飛と一つ引くのが有力。
△5二玉」:△7六飛の威力が減っているので、青野流より得かも。ただ飛車ぶつけが気になるところである。
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2016/07/28 | Comment (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

横歩取り「佐々木流▲6八玉」の研究1

   ↑  2016/07/27 (水)  カテゴリー: 将棋
 内藤流△3三角空中戦法に対し、先手が激しく攻める「青野流」という戦法がある。
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 飛車を引かずに右桂を活用し、最速で5三を攻めるのが趣旨。お互いに怖い変化が多く、先手は玉が薄いが全力で攻めている、という構図になりやすい。決戦が早いので先手は囲う暇が無く、とにかく攻めが上手くなければ指しこなせない戦法だ。
 この戦法の良いところは、通常の横歩取りと違って先手に誘導権がある事だ。後手の手次第では▲3六飛と引けるという応用性もある。▲5八玉に対しては△5二玉が研究の最前線で、攻めが切れるかどうかの激しい斬り合いになる。個人的には△3三角を咎めにいく感覚が気に入っているので、今でも愛用している。
 ただ最近は、先手が押され気味という印象だ。理由は△5二玉以外の候補手が現れたことで、△6二玉、△8五飛、△4一玉の3つが挙げられる。
 6二玉は先手の攻めをスカす狙いで、▲3六飛に対しても指されるようになった作戦だ。プロでは菅井五段が話題を呼んだ。青野流に対しても有力な印象で、やはり先手の玉が脆いのが気になるところ。ただ後者の二つの方が厄介だ。
 △8五飛は力戦にする狙いで、説明は省くが先手は▲7七桂とする。△2五飛なら▲2八歩と我慢して、後から▲3六歩~▲3五飛と飛車をぶつけられれば先手の方が楽な形になるので文句がない。ただ△8二飛と引かれるのが難しいのだ。▲8五歩は必須。以下△4一玉▲3六飛△4二銀▲2六飛△3一玉▲7五歩△6二銀と堅陣を組まれ、先手は支えなければならないところが多すぎる。玉が薄いのも辛いところ。
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 △4一玉は△8五飛と似たような狙いで、△4二銀型の堅陣が狙い。これまで通りに5三を攻めても、やはり後手が堅陣過ぎて攻めになってないのだ。△4一玉▲3六歩△4二銀▲3七桂△6二銀▲7八銀△5一金と進むが、▲4五桂に威力の無い青野流に何の価値があるのか、という話だ。▲3六飛と引けばまだ良いのだが、それは定跡形より先手の形が悪い。正直一番面倒な相手だ。
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 さて――ここまでのキーワードは何か? そう、「玉が薄い」ということだ。後手と同等の堅さを求めると先手は一手損する必要がある。となると▲5八玉という手自体、形の決め過ぎなのでは? と考えられるわけだ。「▲3四飛待機型」において、最善の手は何か? ということを考えてみたい。そこで「佐々木流▲6八玉」である。
 私も以前▲6八玉は考えた。前述した△4一玉に対して▲3六飛と引けば定跡形に戻るからである。ただ△5二玉とされ、青野流と同じように進めた時に△7六桂、△9五角といった手が気になっていたのだ。純粋に青野流で攻め合いになると玉の位置が危険なので、この手はないだろう、と思っていた。
 が、去年からサボり気味だった棋譜並べをしていたところ、なんと去年の10月に佐々木勇気五段が▲6八玉を指していたのである(時代遅れ)。この手は実はあるのか? 今一度検証したい(漸く本題に来れた……)。
 佐々木流▲6八玉に対し、前例で最も多かったのは△2二銀だ。これは咎めにいったというより、手探り状態ということだろう。佐々木五段は後手も持って指しているので、その棋譜が研究と深く関係しているに違いない。
 ▲6八玉△2二銀▲3六歩△8二飛▲3七桂△8八角成▲同銀△3三銀▲3五飛△4四角
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 これは74期C1▲大平△佐々木戦。その後後手が快勝したが、先手にはもっといい手があるはずだ。2二銀・8二飛の形は過去に青野流に対して有力だったもので、▲3五飛のところで▲8三歩を調べる。青野流では有力とされていた攻め。以下▲8三歩△同飛▲8四歩△8二飛▲3五飛△8四飛▲6六角△8二飛▲4五桂というのが定跡手順。ただ△4四銀とされて、▲同角△同歩▲8三歩△9二飛▲5三桂成とした時に△8六角が王手角取りになって、これは▲6八玉がたたっている。▲同角△同歩▲3二飛成△同飛▲4三金が修正案だが、これも難しそう。△5二飛しかないので(▲5三桂成がある)駒損は少し回復するが、桂取りがかかっているので先手も忙しいか。△8六角や△9五角も悩みの種である。
 そこで▲6六角のところ、▲7七桂はどうだろうか。直接的には飛車ぶつけを、状況次第では▲6五桂も狙い、△4四角の筋も消している。次の▲6五桂を受けて△8二飛だと思うが、▲8三歩が成立するかどうか。
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 △5二飛のような逃げる手も難しそうだが、△同飛の時に先手が攻めきれるのか。
▲8三歩△同飛▲4五桂△8二飛▲3三桂成△同桂▲6六角が研究手順で、▲7七桂と合わせて飛車交換を手伝う意味もある。生角でも▲7五角の活用があるのでそれほど困らない。△4二玉の受けには▲3一銀で攻めが続きそうとして、△4四角▲同角△同歩として、△4五桂を受ける▲4八銀が候補。例えば△2八角なら▲2四銀と露骨に攻めて先手も悪くなさそうだ。
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 難しいながら、「2二銀・8二飛」型は形勢的に先手有望であると言えるだろう。長くなってしまったが、ひとまずここで区切ろう……。

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2016/07/27 | Comment (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

四つの振り飛車と「糸谷流右玉」の考察

   ↑  2016/07/20 (水)  カテゴリー: 将棋
「糸谷流右玉」というと昔はマイナーの極みだったが、最近ではそれほど珍しくもないのだろうか。主に研究熱心なアマチュアに多用されるこの戦法は、これ一つでほぼ全ての振り飛車に対応できるという大きなメリットがある。今回は私なりに研究した「糸谷流右玉」を明かそうと思う。

(1)対「向かい飛車」……有力
 対振り右玉は向かい飛車と相性が良い。何故なら向かい飛車の飛車ぶつけには交換に応じ、再度下段飛車を打てば右玉に隙は無く、振り飛車側の負担になるからだ。
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 向かい飛車は2筋からしか手が作れないのに対し、右玉は盤面全体で手を作ることができる。飛車交換はしない方が得だと思うが、そうなると向かい飛車にする意味は薄い。なまじ普通に囲った将棋よりも居飛車が勝ちやすいぐらいだと私は思っている。そんなわけで、向かい飛車に対しては右玉は恐れるところがない。

(2)対「三間飛車」……工夫が必要
 三間飛車は右玉の桂頭に砲台が向いているので、慎重な指し回しが必要とされる。昔の私は棒金の形で飛車先交換を防いでいたが、どうも玉が脆くなりすぎる嫌いがあり、逆転もされ易かった。
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 本来対振り右玉では右桂を跳ねて引き飛車を用意するが、桂頭攻めを考慮し桂を跳ねるのを後回しにするのが研究。そして▲5六歩を突かないことも一つのポイントである。△5五桂を残すのは不合理なようだが、そもそも桂交換を防ぐ方針なら問題は無い。左銀を5六に出て使えば後の△5三角などの棒金を圧迫するような手を防ぐことができる。△1五角の王手には▲3七金で問題なし。この形を使うようになってから三間飛車に対する勝率は上がったので、かなり有力な形だと思う。

(3)対「四間飛車」……難解
 対振り右玉にとって四間飛車は宿命の相手だ。四間飛車は序盤から危険な変化に囲まれていて、右玉側は神経を使う将棋になる。長いこと使ってみて分かったのは、先手番なら▲7六歩△3四歩▲2六歩△4四歩から右玉にできるが、後手番では▲7六歩△8四歩▲6六歩△8五歩という進行でしか右玉にできないということだ。後手番で角道を開けて右玉にするのは速攻を仕掛けられて右玉自信なし。四間飛車にて対振り右玉は、角道を開ける手はない方がいいのである。出来れば先手番でも▲7六歩はない方が良い。まあ、私は横歩取りや矢倉も指したいので突くのだけれども。
▲2六歩△3四歩▲7六歩△4四歩▲2五歩△3三角▲4八銀△4二飛▲3六歩△6二玉
▲3七桂△3二銀▲3八金△4五歩……参考図
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 もし△4五歩のところを△7二玉とすれば▲4六歩と突いて、一先ず安心できる。△4五歩は一見してかなり筋悪だが、この場合先手の形も褒められたものではないので釣り合いは取れているのだろう。ただ実戦的に、右玉に組めないというプレッシャーは強い。もし角道を開けていなければ▲3八金の一手が必要ないので、4筋の位を取られることはないのだ。
 なので▲2五歩とは決めず、右四間飛車を見せるのが安全そうだと今では考えている。
▲2六歩△3四歩▲7六歩△4四歩▲4八銀△4二飛▲4六歩△6二玉▲4七銀△7二玉
▲3六歩△8二玉▲3七桂……参考図
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 これなら先手は何も苦労せず右玉に組める。▲4六歩の瞬間△4五歩とされても▲同歩△同飛で先手は怖いところがない。右玉に固執する必要も無いので先の変化に比べれば悩まなくて良いメリットがある(それに振り飛車党はこういう速攻を嫌うイメージがある)。

 長くなったが、序盤の問題はこれで解決だ。ここからがまた難しく、今のところ四間飛車に対しては棒金+継ぎ歩の2筋突破が無難な攻めと言えそうだ。▲6九飛からの6筋攻めは攻撃力こそあれど、反撃をほぼ間違いなく喰らう形である。特に四間飛車は△4五歩の威力が高いので、反撃一つで攻めが頓挫するのも珍しくない。基本的に右玉は手を作られたら負けなので、▲7九飛から一歩を手に入れ、▲2四歩△同歩▲2五歩の継ぎ歩を狙うのが隙のない攻め方だろう。他の振り飛車に比べて2、3筋の守備力は低いので、入玉を視野に入れた作戦になりそうだ。
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(4)対「ゴキゲン中飛車」……後手に有力手段あり
 対振り右玉の中ではメジャーな部類に入る。序盤はむしろ楽な方で、問題は中盤、どちらが先に仕掛ける将棋になるのかということだ。今のところ振り飛車側から動くとすれば「△3二金・△3三桂型」「4筋に振り直す」「3筋に振り直す」の3つが考えられる。
「△3二金・△3三桂型」はそれほど心配する必要が無い印象。△4五歩に対しては▲同歩△同桂▲4六歩という受けがあり、そう簡単には潰れないからだ。むしろ桂を渡してしまうことで攻められる危険性がある。ゴキゲン中飛車に対する対振り右玉は攻撃力が格段に高いので、攻めは慎重に考えなければならない。
「4筋に振り直す」のも似たような理由で怖くない。やはり△4五同桂▲4六歩という受けが手堅く、△3七桂成▲同金の形が堅い。それに4筋に振り直すのは手数がかかる。
「3筋に振り直す」は本命。5五歩と角筋を遮断しているので、△5一角といった手が指しやすいのが根拠だ。△3五歩の仕掛けで味をつけ、そこで5四に上がった銀を△4五歩で参加させるというのが効果的。右玉の桂馬をいかに負担にさせるかが、対振り右玉に対する振り飛車ターニングポイントと言えるだろう。
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 対振り右玉は組み上がってしまえば振り飛車の攻撃力を無効化できる強みがある。反面、一度自分が攻め始めると反撃を全て防ぐことが難しくなってしまう。数ある将棋の戦型の中で最も逆転の起こりやすい将棋と言えるだろう。指しこなすにはかなりの序盤力と中盤センスが必要になる。逆に終盤力が活躍することはない。一手一手で勝つような将棋じゃないからね。
 固める将棋が苦手、下段飛車マニア、駒落ち名人だという人は「対振り右玉」をレパートリーに加えてみると面白いだろう。勝ち負けが本気で気にならない」ぐらいのメンタルは必須だが

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2016/07/20 | Comment (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

塚田流「角換わり△6五同桂革命」の研究2

   ↑  2016/07/12 (火)  カテゴリー: 将棋
 前回記事を書いていてふと閃いたのだが、この局面。
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 やっぱり△7三桂、あるんじゃないか? というのが今回の話である。
 まず簡単な疑問から解消しておこう。△7三桂▲4五歩△同歩▲2五歩には△3五歩で切り返す。後手有利かは難しいが、▲4五歩の感触が良くないのでまあ後手が良い、ということにしておく。
 問題は▲2五歩で、△3三銀と上がれば「例の」仕掛けで先手が良くなるようだ。じゃあどうするかというと、△6五歩と先に仕掛ける。「ああ、あれか」と思った方もいるだろう、この局面は端の関係を抜けばツツカナ新手などでも話題になった形だ。
7.png 
 「なんでえ、既出じゃん」と思うかも知れないが、端歩一つを馬鹿にできないのが角換わりである。いいところだけ挙げてみよう。
・△3六歩▲4五桂と逃げても銀に当たってないので△3七歩成が先手
・▲6九飛~▲6一飛成などと横から攻められても、△4二銀型が堅い
・後手だけど先攻できる
・先手は2筋は攻められても1筋は攻められない
 これはイケる……? という感じなので、具体的に研究してみる。
 名付けて「せっかち△6五歩作戦」絶望的ネーミング)。早速「例の」仕掛けで検証を始めてみた……考えてみればすぐわかる事だったのだが、▲2四歩が手抜けない。いや当たり前なのだが、△3七歩成の時に▲2四飛と走られるのである。ぐぬぬ、いきなり難問が……! というか「いいところ」の一番最初が否定されてるというね

 もちろんまだ終わらない。次に端を付き合った場合の△6五歩作戦を調べてみる。
 従来の△6五歩早仕掛けは△6五歩▲同歩△7五歩と先攻し、
・▲同歩 は △6五桂▲6六銀△8六歩▲同歩△8八歩。
・▲6六銀 は △8六歩▲同歩△同飛▲8七歩△8二飛。
 というように、先手が素直に相手すれば普通に先行できるので後手が良い、という作戦だ。ただ▲2四歩が手強い。△7五歩▲2四歩△同歩▲2五歩△同歩▲7五歩と十字飛車を見せられ、後手の攻めが難しいということだった。その局面を端歩を突かない形にしてみる。
8.png 
 そうそう、△2六角には▲2七飛で、▲2五桂が受からないんだよねー……と考えていたことを思い出したのだが、△1五角の逃げ場があるじゃないか! と気付いた。これはひょっとするのでは……?
 △2六角▲2七飛△6五桂▲同銀△同銀までは一本道だろう。変化が多そうなのでもう一度参考図を載せておく。
9.png 
 やはり▲2五桂だろうか。そもそもこの角、飛車先を通さない以外特に働いてないのでやり過ぎ感満載である。△6五銀と出られた形が素晴らしいので釣り合いが取れていると信じたいのだが、ううむ……。これは一朝一夕の内に結論を出してはいけないのかも知れないなあ。

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塚田流「角換わり△6五同桂革命」の研究1

   ↑  2016/07/10 (日)  カテゴリー: 将棋
 後手角換わりは木村定跡以降、様々な工夫を強いられることとなった。7三歩型、6五歩型から始まり、一手損角換わりが台頭。その舞台にまた新風が吹く――塚田流「端歩不突き」だ。
 この作戦、恐ろしいことに端を一切からめずとも仕掛けが成功するという特徴がある。角換わりの歴史は木村定跡以後、端でどう成功するかが焦点であったのにこれが成立しては何をしていたのかわかった物ではない。
(将棋世界8月号の付録「塚田流角換わり△6五同桂革命」で、塚田先生は「とりあえず革命は起こした」とコメントしている。投げやりすぎやしないだろうか……)
 端歩不突きだ何だと言ったが、後手の狙いはわかりやすい。先手が桂を跳ねたら即座に桂頭を攻めるだけだ。次の局面を見てほしい。
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 ここで△6五歩と仕掛けてしまうのが本作戦。▲同歩△同桂▲6六銀△3五歩が狙いの一手で、左辺で桂損はするものの飛車を攻めているので釣り合いは取れ……ているんじゃない? というわけだ。そりゃ攻めるのが3筋なのだから端は関係ないのである。乱暴すぎないか。
 △3五歩▲2四歩△同歩▲6五銀直△同銀▲同銀△3六歩▲4五桂△同歩▲3四歩まではほぼ一直線に進む。▲4四桂や▲5五角は見えるが、△3四同銀が正着だ。先手は歩切れになる上、後手からは△3七歩成が切り札である。先手は△6六桂を嫌って角を打つことになるが、▲5五角は△6二飛で望み薄、▲1一角成で香は取れるが△3三角の合わせが手強い。
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 先手は困惑することになる。というかこれほどシンプルで良いなんて事実、後手からしても困惑である。結局▲3七桂は危険ということで、代わりに▲9五歩と端を伸ばすようになる。桂を跳ねてくれないと仕方ないので△8八玉などで待機するのが一例。先手としても右桂は跳ねないと攻めようがないので、▲6七金右と備えるところだろう。前述の付録では▲6七金右△3三銀▲3七桂△4二金右▲8八玉△6五歩と仕掛ける順が解説されていて、先手は2五歩を決めずに対抗することになる。あれこれと研究してみても、後手が悪くなるということはなさそうだ。

 ここまでくれば当然の発想だが、「これ先手でも出来るんじゃない?」というわけで次の局面が考えられる。
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 ……先からの流れで言えば、後手は△7三桂と跳ねづらいということになる。△3三銀▲4八飛は端の交換がある場合の代表的な進行だが、これは端を突いていない事がデメリットになりそう。というか「桂頭を攻める」ならともかく、やはり玉頭から崩すなら端も仕掛けないと攻めるのは難しいんじゃないだろうか。あるいは桂馬を先に跳ねた者勝ち、という可能性もある。今後は如何に早く桂馬を跳ね相手はどう咎めるかという駆け引きになる……のかも?

 さて、私がこの「端歩不突き」を見て、真っ先に考えたのは「△4二飛作戦」との合成だ。「△4二飛作戦」とは『これからの角換わり腰掛け銀(マイナビ)』という本で解説されているので手元の本で確認していただきたい(という購買要求)。それを踏まえて次の図だ。
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 見ればわかる通り、後手は△5二金を保留することになる。この△7三桂は先手より桂を早く跳ねる意味もあるが、この場合は▲2五歩△3三銀▲3七桂が成立する(△6五歩▲同歩△同桂▲6六銀△3五歩▲6四角で、△8一飛とできない)。
 そこで仕掛けを見送って△4二飛というのが私の考えた対策だ。△4二飛作戦の弱点は▲4八飛から攻められてしまうところだが、前述した通り2~4筋から仕掛けてくるなら▲1六歩がないのは大きなアドバンテージ。そして先手から後手の桂頭を攻めるのは飛車がズレているのでお門違いだ。
 我ながら優秀そうな対策だとは思ったが、なにしろ△4二飛作戦をほとんど採用したことがないので研究は長引きそうである。今後とも研究を続けていきたいところだ。
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